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連載① 今野功平の挑戦―生分解性プラスチック開発の成功

約四半世紀前、プラスチック加工を長年手がけてきた 弊社・現会長 今野功平は、「生分解性樹脂とよばれる原料からプラスチックに加工できないか」との依頼を受けました。

そしてこれは、「グリーンプラ」と呼ばれる、土の中で生物によって分解する「生分解性プラスチック」をつくる物語のスタートでもあったのです。

「プラスチックといっても、われわれプラスチック屋にとっても、生分解性というのはまったく未知な世界でした。どこの加工メーカーも『できない』と即答だった、と。私は、“変わり者だ”って業界でも言われてたから、最後の望みで私のところに来てくれたんだろう、そんなことを思ったら、チャレンジしてみようと火がついてしまったのです。」

今野功平の生分解性プラスチックのフィルム作りがスタートしたのでした。

「生分解性プラスチック」を生成する肝心の“技術”とは――プラスチックを原料として製品を作るには加工技術が必要になります。日本のプラスチック加工技術は世界一で、グリーンプラの原料に関しては、国内大手メーカーも開発に着手し成功していましたが、製品化する加工メーカーの技術力がなければ、ユーザーの要望に応じた製品は作れず、結局商品化に至っていなかったのです。

その“加工技術”こそ、優れた技術力を誇るわが国の汎用プラスチック加工メーカーにとっても未開拓の分野であったのです。

「『耐熱温度を上げてくれ、壊れにくくしてくれ』とお客さんからは様々な注文をされますからね、それに応えられなければ商品にはなりません。でも、新しい特殊な技術に対するデータがまったくないわけです。どのくらいの温度だったら樹脂が固まるのか、プラスチックの場合は180℃、210℃のところから入っていく。グリーンプラの場合は何度なのか。設定温度から研究していったわけです。」

そして当時、世界的な(もちろん日本も)情勢は環境問題に対する関心も少なく、得意先・大手メーカーや商社に話をしても、冷たい反応が返ってくるばかり―

しかし、今野は開発をやめませんでした。プラスチック加工会社として、来るべき、地球環境問題の勃発と深刻化が目に見えていたからです。

「結局粘り勝ちです!」

強度や伸縮性、耐熱性など、温度やブレンド比率、加熱時間など、さまざまな状況をつくり、一つひとつデータを取りながらテストを繰り返し、最適状態を探していく作業をひたすら繰り返し、長年の間に蓄えた技術と勘を活かしながら、より短時間にそこにたどり着くべき工夫を重ねていくこと、約10年。ついにグリーンプラ、生分解性プラスチックの加工技術を確立するまでになったのです!

「とにかく、うちはお客さんが言ってくれるものはなんでも作ります。だから、私のところは、生分解性プラスチック分野において『できない』とは決して言いません。」

そして、はかったかのように、時代が「環境問題」を叫ぶようになり、プラスチックにもその目が向けられるようになりました。従来型プラスチックは、ほとんど経年変化がないのに比べて、生分解性プラスチックは、自然界の中に分解する、つまり、紙と同じように土にもどるという画期的な素材なのです。

「環境面からいったら、これしかないと私は思っています」

今野功平は、生分解性プラスチック開発・製造に成功した第一人者として、現在も世の中に環境問題を問いかけています。(次回「連載②先代の意志を継ぐ2代目代表の新しき挑戦」へ続く。乞うご期待)